アメニモマケズ [日々鉄道小景~ショートストーリー]
あきばれ。漢字で書くと秋晴れ。
この言葉が作られた時代には、おそらく晴れの日が多かったであろう、初秋の福島。
昨今の猛暑、ひいては地球温暖化が問題なのか、私には分からないが、
勢い込んで出かけた休日の福島は、あいにくの雨模様。
「あ~あ、ついてないなあ・・・」
秋晴れの青空に、稲穂が風に舞いながら、ローカル線が遠くから走り去って行く・・・
そんな「感動的な」シーンを撮影できることを思い浮かべて、東京から車を走らせていた私には、
強い失望の気持ちがあふれていた。
お天道さまを恨もうにも、大きな雨雲という名の守り神様に隠れて、姿を現しもしてくれない。
「お~い、ちょっとで良いから、顔を出してくれよ~」と空に向かって叫んでみても。
いっかなお天道さまの「お」の字も見えやしない。
さすがにちょっとふてくされながら、農道に下りていくと、
たわたに実る稲穂に、雨粒が。そしてその更に先に小さな蜘蛛が動いていた。
昨夜から降り続いていたであろう雨にも負けず。
小さな足を懸命に動かして、自分の居場所を求めて、生きていた。
「頑張れよ・・・」
誰にともなくつぶやきながらファインダーを向けたその先を、
雨の色と、稲穂の色を車体にまとった臨時列車が静かに通り過ぎて行った。
[2010/09/20 磐越西線 中山宿-磐梯熱海 By Canon EOS50D]
この言葉が作られた時代には、おそらく晴れの日が多かったであろう、初秋の福島。
昨今の猛暑、ひいては地球温暖化が問題なのか、私には分からないが、
勢い込んで出かけた休日の福島は、あいにくの雨模様。
「あ~あ、ついてないなあ・・・」
秋晴れの青空に、稲穂が風に舞いながら、ローカル線が遠くから走り去って行く・・・
そんな「感動的な」シーンを撮影できることを思い浮かべて、東京から車を走らせていた私には、
強い失望の気持ちがあふれていた。
お天道さまを恨もうにも、大きな雨雲という名の守り神様に隠れて、姿を現しもしてくれない。
「お~い、ちょっとで良いから、顔を出してくれよ~」と空に向かって叫んでみても。
いっかなお天道さまの「お」の字も見えやしない。
さすがにちょっとふてくされながら、農道に下りていくと、
たわたに実る稲穂に、雨粒が。そしてその更に先に小さな蜘蛛が動いていた。
昨夜から降り続いていたであろう雨にも負けず。
小さな足を懸命に動かして、自分の居場所を求めて、生きていた。
「頑張れよ・・・」
誰にともなくつぶやきながらファインダーを向けたその先を、
雨の色と、稲穂の色を車体にまとった臨時列車が静かに通り過ぎて行った。
[2010/09/20 磐越西線 中山宿-磐梯熱海 By Canon EOS50D]
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